第84景 「目黒爺々が茶屋」
(安政四年(1857)四月 秋の部)
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ヘンリー・スミス教授(岩波書店「広重名所江戸百景」)は村尾嘉陵を引用して、
ここには「ぢゝが茶やばゝが茶や」の2軒の茶屋があり、描かれているのが
「ぢゝが茶や」で、「ばゝが茶や」は高台の上にあったとしている。
この場所は先の「目黒新富士」から500メートルほど東南に隔たっているだけなので、
西の方角は開けており、富士を望むには絶好の地点である。
急な下り坂の下に拡がる田圃は黄金色で稲刈りを待っている。中景の緑の林と
建物は疑いなく目黒不動である。遠景は富士山の手前に見える丹沢の山々も
正確に表現されており、左端は大山である。真っ白な富士山を眺める人物が、
左の高台、坂の途中に描かれている。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による